現在、中小企業が申請できる複数の補助金制度では、「くるみん認定」や「えるぼし認定」を取得している企業に対して加点措置が適用されています。これらの認定は、子育て支援や女性の活躍推進に積極的な企業を支援する制度であり、補助金の採択率向上につながる重要な要素です。
本記事では、加点措置の概要、対象補助金、認定制度の特徴や取得条件、そして企業が得られるメリットについて詳しく解説します。
補助金申請に有利なくるみん認定とえるぼし認定とは
くるみん認定は子育て支援に取り組む企業への評価
くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づいて、子育てサポートに積極的な企業に対して厚生労働大臣が認定を行う制度です。企業は、子育てと仕事の両立に向けた行動計画を策定し、それを達成することで認定を受けられます。男性の育児休業取得率や、労働時間の短縮制度の導入など、実績に応じて評価される仕組みです。
くるみん認定には以下の4種類が存在し、取り組みレベルに応じて段階的に取得が可能です。
- くるみん認定
- プラチナくるみん認定
- トライくるみん認定
- プラス認定
特にプラチナくるみんやプラス認定は、より高い基準をクリアすることで取得でき、企業の取り組みの質を対外的に示す強力なツールとなります。
えるぼし認定は女性活躍推進に取り組む企業への評価
えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づいて、女性の活躍を支援する取り組みが優良な企業に与えられる認定制度です。管理職に占める女性の割合、労働時間、採用や継続就業の実績などの観点から評価されます。
えるぼし認定は、達成基準の数に応じて3段階に分かれており、さらに特に優れた企業には「プラチナえるぼし認定」が付与されます。認定の取得は、企業のイメージ向上や求職者へのアピールにもつながります。
中小企業向け補助金での加点措置の仕組み
加点対象となる主な補助金制度
くるみん認定やえるぼし認定を取得している企業に対して、加点措置が適用される補助金制度には以下のようなものがあります。
| 補助金名 | 支援の目的と内容 |
|---|---|
| 事業再構築補助金 | 業種転換・事業再編など大胆な事業再構築を支援 |
| ものづくり補助金 | 生産性向上や試作品開発に関する設備投資を支援 |
| IT導入補助金 | 自社課題に合ったITツール導入による効率化を支援 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓や業務改善に取り組む小規模事業者を支援 |
| 事業承継・引継ぎ補助金 | 経営資源の引継ぎや事業再編を行う企業を支援 |
これらの補助金のうち、2023年時点では事業再構築補助金やものづくり補助金などで既に加点措置が開始されていました。なお、制度の詳細や募集時期は年度ごとに変更される可能性があるため、常に最新の公募要領を確認することが重要です。
加点措置を受けるための条件とは
以下のいずれかに該当する企業は、補助金申請において加点対象となります。
- えるぼし認定(1~3段階またはプラチナ)を取得している企業
- 女性活躍推進法に基づく行動計画を公表している中小企業(従業員100人以下)
- くるみん認定(通常・トライ・プラチナ)を取得している企業
- 次世代法に基づく行動計画を公表している中小企業(従業員100人以下)
行動計画の公表は、厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」や「女性の活躍推進企業データベース」などのサイトで行います。これにより、実際に認定を取得していなくても、一定の加点対象となるケースがあります。
認定取得によって得られるメリット
補助金の採択率アップ
加点措置は審査上の評価に影響を与えるため、同じ内容の申請であっても認定を取得している企業の方が採択されやすくなります。これは限られた予算の中で、競争の激しい補助金において大きな差を生み出します。
採用活動でのアピールポイントになる
認定企業として登録されることで、求人広告や自社サイトなどを通じて「子育て支援に積極的な企業」「女性が働きやすい職場」といった社会的評価を獲得できます。働きやすさを重視する求職者へのアピールにも効果的です。
公共調達や自治体支援でも優遇される場合がある
一部の自治体や公共事業では、入札時に認定の有無が評価対象となるケースがあります。特にプラチナくるみんやプラチナえるぼしを取得していると、優良企業としての信頼性が高まります。
認定取得の手続きとポイント
くるみん認定を取得するための流れ
くるみん認定の取得には、以下のステップが必要です。
- 行動計画を策定し、厚生労働省の指定サイトに公表する
- 行動計画に基づいた取り組みを実施し、目標を達成する
- 必要書類を整えて都道府県労働局に申請する
申請は郵送・持参・電子申請のいずれでも可能です。なお、プラチナくるみんやプラス認定の取得には、より厳格な実績評価が求められます。
えるぼし認定の申請方法と注意点
えるぼし認定には「基準適合一般事業主認定申請書」、プラチナえるぼしには「基準適合認定一般事業主認定申請書」の提出が必要です。こちらも都道府県労働局へ郵送または電子申請が可能で、申請時には過去数年の実績や制度の運用状況を示す資料が求められます。
認定制度は企業価値の向上にもつながる
くるみん認定やえるぼし認定は、単なる補助金対策ではなく、企業の働き方改革やダイバーシティ経営の指標にもなります。
制度を活用することで、社内体制の整備、社員満足度の向上、ひいては業績の安定にも貢献する可能性があります。
自社の取り組みを制度に乗せて最大限活用しよう
子育て支援や女性の社会進出は、国が主導する重要な政策の一つです。中小企業においても、こうした社会的取り組みを推進しつつ、補助金や公的支援制度を有効に活用することが求められています。
くるみん認定やえるぼし認定の取得は、対外的な信用の獲得、経営資源の調達、そして企業の持続的成長のための大きな一歩となります。すでに取り組みを行っている企業は、ぜひ制度を活用し、その成果を次のステージへとつなげていきましょう。

