中小企業省力化投資補助金の概要と申請手順をわかりやすく解説

中小企業省力化投資補助金は、人手不足や業務効率化の課題を抱える中小企業を対象に、省力化・自動化に資する設備やシステムの導入を支援する制度です。

IoT機器やロボットなどの導入費用が補助され、生産性向上や賃上げの実現を目的としています。対象要件、申請の流れ、補助対象製品、補助率や金額など、申請に必要な情報を整理して解説します。

中小企業省力化投資補助金の制度概要と背景

政府は、深刻な人手不足に対応し、国内中小企業の生産性向上を図るため、令和5年度補正予算に「中小企業省力化投資補助事業」を創設しました。この制度では、中小企業が既存の業務を自動化・省力化するための設備投資を行う場合に、その費用の一部を国が補助します。

制度の特徴と目的

この補助金の目的は、省力化設備の導入を促進することで、業務効率を向上させ、人手不足を緩和し、さらには企業の収益性向上や従業員の賃上げにつなげることです。補助対象となるのはあくまで既存事業に関する投資であり、新規事業の設備投資は対象外です。

補助金の対象となる中小企業の要件と確認ポイント

補助金の申請が可能なのは、国内で事業を行う中小企業や個人事業主で、業種ごとに定められた資本金および従業員数の基準を満たす事業者です。

「みなし大企業」やグループ企業の制限にも注意

親会社が50%以上の議決権を保有している場合、その子会社は「同一法人」とみなされ、一方しか申請できません。また、大企業が過半数の株式を保有している企業は「みなし大企業」として扱われ、補助対象外になります。

人手不足の証明が申請の前提条件となる

補助金を受けるには、事業者が人手不足の状態にあることを明確に示す必要があります。具体的な証明方法は以下のとおりです。

人手不足の判断基準と必要資料

  • 平均残業時間が30時間を超えていること
  • 前年と比較して従業員数が5%以上減少していること
  • 求人を出しても応募が集まらない実績があること
  • その他の特異な事情がある場合は詳細な事業計画が必要

これらのうち1つ以上に該当することを証明し、省力化の必要性を事業計画に反映させる必要があります。

最低賃金の遵守や法令順守も必須条件

申請時および事業終了時点で、すべての従業員が最低賃金を超える給与を受けていることが求められます。また、過去1年間に労働関係法令に違反し、送検された実績がある場合は申請できません。

補助対象となる設備や経費の範囲

補助対象となるのは、省力化を目的として導入する設備やその設置にかかる費用です。補助金の対象製品は、事前に国が承認した「カタログ」から選ぶ必要があります。

カタログ掲載の主な対象製品と活用分野

  • 券売機、自動精算機、自動チェックイン機(飲食・宿泊業)
  • スチームコンベクションオーブン、配膳ロボット(調理・接客支援)
  • 無人搬送車、検品・仕分システム、自動倉庫(製造・物流業)
  • 清掃ロボット、ラベル貼付装置、自動バリ取り機(業種共通の省力化)

補助対象となる費用と制限

  • 製品本体価格(単価50万円以上)
  • 導入経費(設置・運搬・設定作業など。補助対象は本体価格の2割まで)

※中古品、リース契約、事前購入した機器は対象外となります。

補助金の上限額と補助率の詳細

補助額は、従業員数に応じて以下のように設定されています。すべての区分で補助率は1/2です。

従業員数補助上限額賃上げ要件適用時の上限額
5名以下200万円300万円
6~20名500万円750万円
21名以上1,000万円1,500万円

生産性向上と賃上げ目標の設定が求められる理由

補助金申請にあたり、労働生産性の向上と賃上げに関する目標設定が義務付けられています。

労働生産性向上の具体的目標

補助事業終了後3年間で、申請時と比較して年平均3%以上の労働生産性の向上を目指す必要があります。

賃上げ要件のメリットと注意点

  • 最低賃金を45円以上引き上げる
  • 給与支給総額を年平均6%以上増加させる

これらを達成することで、補助上限額の引き上げが適用されます。達成できなかった場合は、補助金の減額や返還が求められる場合があります。

申請から補助金交付までの具体的な流れ

申請は、gBizIDプライムアカウントの取得からスタートします。補助事業は、販売事業者との共同申請によって進められます。

補助金申請のステップ

  1. gBizIDプライム取得
  2. カタログから製品と販売事業者を選定
  3. 販売事業者と事業計画を策定し、電子申請
  4. 交付決定後、事業開始(原則12か月以内)
  5. 実績報告と補助金交付手続き
  6. 効果報告を5年間提出

審査では「省力化の効果」と「事業実現性」が重視される

補助金の審査では、事業計画に基づく省力化の効果が明確であるか、また、実現可能性が高いかどうかが評価の中心となります。

審査で見られる主な評価ポイント

  • 導入する機器によって労働時間や作業負荷がどれだけ削減されるか
  • 単なる作業削減に留まらず、高付加価値業務への転換が図られているか
  • 賃上げに向けた取り組みが明確かつ実行可能な内容になっているか

補助金活用後の義務と注意事項

補助金を受けた企業には、事業終了後も一定の義務があります。

補助後の効果報告と設備の使用制限

  • 効果報告を5年間提出
  • 補助対象設備は1年以内に使用中止すると補助金返還対象
  • 法律に基づく売却や転用の制限あり

最新スケジュールと申請期間の確認

申請スケジュールは随時更新されるため、公式情報を常に確認することが重要です。

公募回受付開始締切採択発表(予定)
第1回2024年6月25日7月19日8月下旬
第2回2024年8月9日9月24日11月上旬

まとめ:省力化投資補助金を活用して持続可能な成長を目指す

中小企業省力化投資補助金は、人手不足への対応だけでなく、長期的な業務効率化や働きやすい職場環境づくりを支援する強力な制度です。

賃上げ要件をクリアすれば、補助額も増加し、企業の持続的な成長に直結します。制度の正確な理解と戦略的な活用が、企業の次のステージへの鍵となるでしょう。

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