省力化投資補助金は、中小企業の人手不足解消と生産性向上を目的とした支援制度です。この補助金の対象製品として認められるためには、あらかじめ「カタログ」に登録されている必要があります。
本記事では、製造事業者が補助対象製品としてカタログに登録するための申請手続きや要件、登録スケジュールなどをわかりやすく解説します。
補助対象となるために不可欠な「カタログ登録」の意味とは
省力化投資補助金では、対象となる製品はすべて「省力化製品カタログ」に登録されていることが前提です。中小企業等が自由に製品を選んで補助金を申請するのではなく、このカタログから選ばなければ補助金の対象外となってしまいます。
そのため、製造事業者にとっては自社の製品をカタログに登録することが、販路拡大や売上向上の大きな鍵となります。ただし、この登録手続きは複数のステップを経る必要があり、関係機関の審査も含めて一定のハードルがあるのが実情です。
【ステップ別】省力化補助金カタログ登録の流れと必要書類
工業会への製品登録申請は最初の関門
製品を省力化カタログに掲載するには、まず製品カテゴリごとに指定された工業会に対して、製品登録の申請を行います。ここでは、製品の仕様や省力化効果が適切に記載された資料が求められます。
提出が必要な主な書類
- 製品・製造事業者審査申請書
- 製品の仕様、価格、導入効果などが確認できる資料
- 納品実績(5社以上)を証明する書類
- 製造事業者の基本情報(登記簿謄本、納税証明書、決算書など)
- 国内代理店が申請する場合は、その権利を示す証明書
工業会と事務局による製品・事業者の審査が行われる
申請内容は、まず工業会によって省力化効果や製品カテゴリの適合性がチェックされます。その後、事務局が製造事業者としての適格性を確認し、外部の有識者委員会の意見も踏まえて最終的に中小企業庁が承認します。
登録承認後に証明書が発行され、製造事業者として登録完了
審査を通過した製品には、工業会から証明書が発行されます。その証明書をもって、事務局が製造事業者登録を行い、これにより正式に補助対象の製造事業者として認定されます。初回登録後は、同一カテゴリ内での追加登録には再登録は不要です。
最後に製品ごとのカタログ登録申請を提出
製造事業者登録が完了したら、事務局へ製品のカタログ登録申請を行います。審査が通れば、その製品は補助対象としてカタログに掲載されます。掲載後は、中小企業による導入が進み、販売促進にもつながります。
製造事業者登録に必要な要件を正しく理解する
製造事業者としての登録には、企業体制・供給能力・サポート体制などにおいて、明確な基準を満たす必要があります。
製造事業者に求められる基本的な要件
- 日本国内に法人登記され、事業を営んでいること
- 補助金に関する行政処分を受けていないこと
- パートナーシップ構築宣言を実施または速やかに対応できること
経営と供給の体制も審査対象に含まれる
安定した製品供給が可能な経営基盤があるかどうかが確認されます。また、全国対応可能な保守・サポート体制が整備されていることも重要な審査項目です。
製品登録に関する技術的・実務的な要件の詳細
製品そのものに関する基準も複数定められており、これを満たさなければカタログ登録は認められません。
省力化製品に求められる性能基準と販売実績
- カテゴリに適合し、定義が明確な製品であること
- 一般市場に流通しており、5社以上の販売実績があること
- 省力化効果が基準を上回ること
- 本体価格が50万円以上であり、補助上限を大きく超過しないこと
対象外となる製品例と注意点
以下のような製品は、登録対象外となります。
- 開発中の製品やプロトタイプ
- 専用ハードを伴わないソフトウェア単体
- 緊急対応用など恒常的使用が想定されないもの
事前に要件を確認し、登録可能な製品かどうかを見極めることが重要です。
省力化補助金に登録可能な製品カテゴリと対象業種の関係
カタログに登録できる製品カテゴリは随時更新される
製品は、あらかじめ承認されたカテゴリに該当している必要があります。カテゴリは中小企業庁が審査し、工業会等の申請によって随時追加されます。
例として以下のようなカテゴリがあります。
- 券売機(飲食業)
- 自動精算機(小売・飲食業)
- 清掃ロボット(宿泊・飲食業)
- 無人搬送車(製造・物流業)
製品ごとに登録可能な業種は限定されている
製品は、そのカテゴリごとにあらかじめ対象業種が決められており、それ以外の業種では補助金の対象とはなりません。申請時には、この業種制限にも注意する必要があります。
製品カタログ登録のメリットとマーケティング効果
カタログに登録されることで、製品は中小企業等による導入が進みやすくなり、販路の拡大や信頼性の向上にもつながります。
カタログ登録がもたらす3つのビジネス効果
- 売上の拡大
補助金を活用する企業が増えることで、自社製品の導入数が増加します。 - ブランド力の向上
公的支援の対象製品として認知されることで、企業の信頼性が高まります。 - 導入のしやすさによる競争優位性
補助金を使って導入可能という点が、営業活動の大きなアピール材料になります。
製造事業者向けの申請サポート窓口の活用方法
申請手続きに不安を感じる製造事業者のために、専門の申請支援窓口が設けられています。事前相談から書類作成まで幅広くサポートを受けられます。
相談可能な内容と申し込み方法
- 申請フローの確認
- 書類の記載方法や添付資料の内容確認
- その他登録手続き全般の疑問に対する相談対応
相談はオンライン面談が基本で、一部地域では対面対応も可能です。予約フォームは公式サイトで案内されます。
登録作業を成功させるためのポイントと準備のすすめ方
カタログ登録は製造事業者にとって大きなビジネスチャンスであると同時に、計画的な準備と制度理解が不可欠です。
- 登録可能なカテゴリがあるかを事前に確認
- 必要書類や証拠資料を余裕を持って準備
- 製品の省力化効果を数値で説明できる資料を整備
- 早期相談や申請サポートを積極的に活用
まとめ:カタログ登録で販路拡大を実現するチャンスを活かそう
省力化投資補助金のカタログ登録は、単なる申請手続きではなく、自社製品の市場認知や売上向上につながるマーケティング戦略の一環です。煩雑な手続きを敬遠するのではなく、制度の仕組みを理解し、丁寧に準備を進めることで大きな成果につながる可能性があります。
この機会を最大限に活用し、自社製品の可能性を広げていきましょう。

