中小企業省力化投資補助金は、中小企業の人手不足を補う省力化製品の導入を支援する制度です。販売代理店が「販売事業者」として登録することで、補助対象となる中小企業と連携してビジネスを広げるチャンスが得られます。
本記事では、補助金制度の概要、販売事業者登録の流れ、登録要件、申請に必要な書類や手続きについて詳しく解説します。
中小企業省力化投資補助金の制度内容と目的
中小企業省力化投資補助金は、深刻な人手不足に直面する中小企業を支援し、業務の効率化と売上拡大を後押しする制度です。対象となるのは、導入によって業務の省力化が見込まれる製品で、業種は飲食、製造、小売など幅広く対応しています。
対象となる省力化製品と業種の具体例
この制度で補助対象となる省力化製品には、以下のような機器が含まれます。
- 飲食業:配膳ロボット
- 製造業:無人搬送車(AGV)
- 小売業:セルフ精算機
これらの製品は、「汎用性が高く、業務の効率化に寄与するもの」として、補助対象のカタログに掲載されます。カタログは随時更新されるため、常に最新情報を確認することが重要です。
補助内容と申請要件の詳細
中小企業省力化投資補助金には、補助率や上限額、申請者の要件など、いくつかの条件があります。
補助率と補助上限額
補助率は導入費用の1/2であり、従業員数に応じた上限額が設定されています。さらに、「大幅な賃上げ」を実施する企業には、補助上限額の引き上げが適用される場合があります。
大幅な賃上げ要件とは
補助上限額が引き上げられる条件として、次の2点が求められます。
- 補助事業終了時に、給与支給総額が交付申請時と比べて6%以上増加していること
- 事業場内最低賃金が45円以上引き上げられていること
このような制度設計により、企業の賃上げ努力も支援の対象としています。
補助金の申請手順と販売事業者の役割
補助金の申請は中小企業が単独で行うのではなく、販売事業者との共同作業で進められます。
製品選定から導入後のサポートまでの流れ
中小企業はまず、省力化製品カタログから自社に適した製品を選び、該当製品の販売事業者に連絡を取ります。販売事業者は製品の詳細説明や導入支援を行い、申請に必要な情報を提供します。
その後、販売事業者は中小企業を申請システムに招待し、両者で補助金の共同申請を行います。補助金が採択された後は、製品の納入と設置が行われ、その後の効果検証や報告も必要です。
長期にわたる効果報告の重要性
補助金を受けた中小企業は、製品導入後の効果について最大5年間にわたり報告義務があります。販売事業者はこの報告を円滑に進めるためのサポートを継続的に行うことが求められます。
中小企業省力化投資補助金の販売事業者登録手続き
販売事業者として補助金制度に参加するためには、一定の手順を踏んで登録を完了させる必要があります。
初期ステップ:製造事業者からの招待
登録を開始するには、まず対象製品の製造事業者から「販売事業者登録」の招待を受けなければなりません。この招待は制度上必須であり、これを受けることで初めて申請ポータルへのアクセスが可能になります。
製品カテゴリごとの招待の考え方
すでにあるカテゴリで登録が済んでいれば、同カテゴリ内の別製品の登録には新たな招待は不要です。しかし、未登録のカテゴリについては、都度新たな製造事業者からの招待が必要になります。
販売事業者登録に必要な要件と条件
販売事業者登録には、基本的な企業体制から、サポート体制、価格設定まで幅広い要件が定められています。
基本的な登録要件
- 日本国内に法人登記があること
- 中小機構や経済産業省からの行政制裁を受けていないこと
- 法令を遵守しており、反社会的勢力との関係がないこと
- 中小機構の立入調査に協力する旨に同意すること
経営基盤と供給体制の確認
製品の継続供給やメンテナンスを実現できる経営体力が必要とされます。また、予期しない受注増にも対応できるよう、適切な在庫と体制を整えていることが求められます。
製品サポートと効果報告支援の体制
導入製品の稼働状況、保守履歴、トラブル対応記録などを適切に管理し、補助対象企業の報告義務を支援する体制が必要です。これは、長期的なビジネス関係の構築にもつながります。
販売事業者登録手続きの具体的な流れ
ここでは、販売事業者が実際に登録を行う際のプロセスを順に紹介します。
ポータルアカウントの作成
製造事業者からの招待メールに記載されたURLより、ログインIDとパスワードを設定します。これにより、申請ポータルにアクセスできるようになります。
基本情報の入力と書類の提出
ポータル内で以下の情報を入力・添付します。
- 企業概要や所在地などの基本情報
- 【必要書類】
- 履歴事項全部証明書
- 法人税の納税証明書(直近)
- 決算書一式
- 製品販売実績の証憑
- サポート体制を示す補足資料
サポート情報の入力と審査依頼
営業拠点の所在地や営業対応地域などを入力し、カタログ掲載用の連絡先を登録します。その後、申請内容を確認して審査依頼を行います。
審査と登録の完了
申請内容に不備がなければ、事務局および外部審査委員会による審査が行われ、承認されると販売事業者としての登録が完了します。
製品カタログへの登録と共同申請の開始
登録が完了した後は、販売製品をカタログへ申請登録し、価格情報を入力します。これにより、補助金申請に向けた中小企業との共同申請が可能になります。
中小企業と販売事業者双方にメリットのある制度
中小企業省力化投資補助金は、中小企業の業務効率化を促進しつつ、販売事業者にとっても新規取引先の獲得や売上向上の機会となります。販売事業者として登録することで、補助金制度の枠組みに組み込まれ、継続的な収益モデルの構築が可能になります。
補助金の受付期間は2026年9月末までと比較的長期にわたって設定されているため、戦略的に活用することができます。今後の市場開拓に向けた一手として、積極的な登録・活用が期待されます。

