中小企業生産性向上を支える補助金と経産省の令和元年度補正予算の全体像

2019年12月に閣議決定された令和元年度の補正予算案では、総額4兆4700億円の追加歳出が決定されました。そのうち経済産業省の関連事業には9135億円が割り当てられ、近年で最大規模の予算となっています。

本記事では、補正予算に基づき経産省が実施を予定していた主な補助金事業について、目的別にわかりやすく整理して解説します。

経産省の補正予算が目指した支援の方向性

令和元年度補正予算(2019年12月決定)は、台風や大雨などの自然災害、米中貿易摩擦の影響を背景に編成されました。2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催も控えており、景気の下支えと将来に向けた経済強化が求められていた時期です。

この補正予算は以下の3つの柱を中心に構成されています。

  • 災害からの復旧と復興
  • 経済の下振れリスクへの対応
  • 将来を見据えた経済基盤の強化と活力維持

被災地域支援を強化する災害復旧事業と補助金

中小企業の復旧を後押しするグループ補助金制度

2019年は台風による被害が相次ぎ、経産省は中小企業組合や地域の商工団体が一体となって施設の復旧を進めるための支援を拡充。共同施設や設備の整備を対象とする「中小企業組合等協同施設等災害復旧事業」には179億円が投入されました。

エネルギー供給の確保を目的とした重点支援

災害時に電力や燃料の供給が途絶えないよう、自家発電設備や蓄電池、電動車の導入支援も実施。特にガソリンスタンドなど地域のライフラインとなる施設(住民拠点SS)には、170億円を投入し、緊急時のエネルギー供給体制を整備しました。

生産性向上を目的とした中小企業支援の拡充

経産省は「中小企業生産性革命推進事業」に約3600億円を投じ、3つの代表的な補助金制度を統合して支援体制を強化しました。補助金制度は電子申請が導入され、利用のしやすさが向上しました。

設備投資を支援するものづくり補助金

新製品やサービスの開発、生産プロセスの改善に取り組む中小企業に対して、最大1000万円まで補助。補助率は原則1/2ですが、条件を満たす場合は最大2/3まで引き上げられます。業種を問わず、革新的な取り組みが評価される制度です。

デジタル化を後押しするIT導入補助金

中小企業が業務効率化のためにITツールを導入する際、最大450万円の支援を受けることが可能です。補助対象には、POSレジ、クラウド型勤怠管理システム、電子カルテ、RPAツールなどが含まれます。デジタルシフトを進めたい企業にとって非常に有用です。

小規模事業者の販路拡大を支援する持続化補助金

個人商店や小規模サービス業者のために設けられた制度で、最大50万円の補助(条件により増額可)が受けられます。広告宣伝費、展示会出展費、チラシ作成費など、販路拡大に直結する活動が対象となり、申請時には商工会等の支援も受けられるため、導入のハードルが低い点も魅力です。

将来を見据えた成長分野への投資と支援策

未来の経済基盤づくりとして、高齢者の安全運転支援や先端技術の導入を促進する取り組みも盛り込まれました。

高齢者事故防止を目的としたサポカー補助金

高齢者による交通事故防止を目的に、安全装置付き車両(通称サポカー)の購入に対する補助制度を実施。予算は1127億円が確保され、一定の条件を満たす購入者に対し、車両購入費の一部を補助しました。

ポスト5Gやキャッシュレス決済を支える研究開発支援

東京オリンピックを契機に注目されたインバウンド対応強化策として、次世代通信技術(ポスト5G)の開発支援や、キャッシュレス決済の普及促進事業にも予算が割かれました。

  • ポスト5G基盤強化に1100億円
  • キャッシュレス消費者還元事業に1497億円

これらの施策はオリンピック後の経済活動の継続的発展を見据えた長期的視点に基づいています。

今後に向けた補助制度の課題と展望

現在、中小企業の補助金活用率は依然として1%未満とされており、多くの事業者が制度を活用しきれていない状況があります。そのため、今後は申請手続きの簡略化や支援機関による伴走型のサポートの充実が課題となります。

中小機構や各地の商工団体が中心となって申請支援を行う体制が整備されつつあり、より多くの事業者が実際に補助金を活用できる環境の整備が進んでいます。補助金制度が「使える制度」として中小企業の現場に根付くことが、経済活性化の鍵となります。

補正予算が果たした役割と今後の注目ポイント

令和元年度の補正予算は、災害対応、経済リスクの回避、成長分野への投資という3つの側面から構成され、多角的な支援を実現しました。補正予算はすでに執行が完了しているものの、これを契機に整備された制度や支援体制は今後の補助金政策にも大きな影響を与えています。

今後も経産省をはじめとする関係機関は、中小企業支援に注力すると予想され、持続可能な成長を実現するための土台づくりが継続されていくでしょう。特に、生産性向上やデジタル化、災害対応といった分野での補助金活用が、地域経済の活性化につながる重要なテーマとなります。

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