小規模事業者持続化補助金の特別枠とは何かを徹底解説

小規模事業者持続化補助金は、事業の持続的な成長を後押しするために設けられた公的支援制度です。販路開拓や生産性向上に向けた取り組みに対して補助金が支給され、小規模企業の経営基盤強化を目的としています。

中でも、特定の課題や目標を持つ事業者に向けた「特別枠」は、通常枠とは異なる条件と補助内容が設定されており、より多様なニーズに対応しています。ここでは、2023年度の「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」について、それぞれの特徴や申請要件を詳しく解説します。

特別枠の補助上限と補助率について

特別枠を活用する上で、まず知っておきたいのが補助上限額と補助率です。

  • 補助率:原則2/3
     ※赤字事業者が賃金引上げ枠に申請する場合、補助率は3/4に引き上げられます。
  • 補助上限額:最大200万円
     ※インボイス制度に対応する要件を満たすと、最大250万円まで補助されます。

補助金の上限はすべての枠で統一されていますが、補助率や要件には枠ごとに違いがあるため、各項目をよく確認する必要があります。

賃金引上げ枠の詳細と対象事業者の特徴

地域最低賃金より高い水準の給与を目指す企業を支援

この枠は、物価上昇や人材確保に対応するため、地域別最低賃金よりもさらに高い水準で従業員の賃金を引き上げる企業を支援する制度です。特に「赤字だが賃上げに取り組みたい」という小規模事業者にも配慮されています。

主な申請要件

  • 補助事業終了時点で、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高いこと
  • 赤字事業者の場合、直近の課税所得金額がゼロ以下であること

提出書類の一例

  • 賃金台帳、雇用契約書の写し
  • 赤字であることを証明する確定申告書または法人税申告書

地域での人材確保や雇用安定に貢献する企業にとって、非常に有効な支援策となります。

卒業枠の対象となる成長志向の企業像

小規模事業者の定義を超える雇用拡大を目指す場合に活用

卒業枠は、従業員数を増やし、制度上の「小規模事業者」という枠を超えて中規模企業へと成長を目指す事業者向けの支援枠です。

主な申請要件

  • 補助事業終了時に、小規模事業者の定義(従業員数5人または20人以下)を超えていること

提出書類の一例

  • 直近1か月の労働者名簿
  • 卒業枠に関する誓約書

事業拡大による地域雇用の創出や、新たなビジネス展開を視野に入れている企業に適しています。

後継者支援枠は事業承継と革新を両立する制度

アトツギ甲子園の実績がある後継者を支援

この枠は、事業承継を見据えて新たな経営に挑戦する後継者を対象としています。とくに、全国規模のビジネスコンテスト「アトツギ甲子園」のファイナリストまたは準ファイナリストに選ばれた事業者が対象となります。

主な申請要件

  • アトツギ甲子園でファイナリストまたは準ファイナリストとして選出されていること

提出書類の一例

  • 経営計画書に出場年度の記載
  • 対象実績を証明する資料

経営資源を受け継ぎながらも、独自の視点で事業を発展させたい後継者にとって有効な制度です。

創業枠で支援を受けられる新規事業者とは

創業後3年以内かつ認定支援の実績がある事業者が対象

創業枠は、創業から間もない事業者の販路開拓や経営基盤の確立を目的とした支援です。「特定創業支援等事業」を受けていることが申請の前提となります。

主な申請要件

  • 過去3年以内に「特定創業支援等事業」による支援を受けていること
  • 同一法人や屋号では再申請不可

提出書類の一例

  • 支援を受けたことを証明する書類
  • 法人:登記簿謄本/個人:開業届の写し

新しい事業を安定させるための初期投資や広告宣伝費をカバーでき、成長に向けた一歩を後押ししてくれます。

自社に合った特別枠を選ぶための視点

特別枠を選ぶ際には、自社の経営課題や将来の目標と補助内容が合致しているかを見極めることが重要です。

  • 人材確保や職場環境の改善に注力したい場合 → 賃金引上げ枠
  • 事業拡大や中規模化を目指している場合 → 卒業枠
  • 次世代経営者として新しい事業に挑戦したい場合 → 後継者支援枠
  • 創業間もない事業の立ち上げ支援が必要な場合 → 創業枠

それぞれの枠は、補助内容だけでなく、社会的意義や将来的な成長ビジョンに基づいて設計されています。

小規模事業者が特別枠を上手に活用するために

特別枠を活用することで、補助金のメリットを最大限に引き出すことができます。ただし、申請にあたっては要件確認や書類準備が非常に重要です。早めの準備と的確な計画書の作成によって、審査での評価も高まります。

補助金は単なる資金支援にとどまらず、企業のビジョンや課題を整理する契機にもなります。特別枠を上手に使いこなし、事業の発展と安定した経営基盤づくりにつなげていきましょう。

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