2025年度の「小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)」第6次公募が実施されました。本記事では、制度の目的や補助対象となる事業者、申請に必要な手続き、補助の内容、採択率などをわかりやすくまとめています。被災した小規模事業者が事業再建に向けて前進するために、この制度を活用するメリットと注意点をしっかりと把握しておきましょう。
持続化補助金災害支援枠とはどのような制度か
小規模事業者持続化補助金の災害支援枠は、自然災害で被害を受けた事業者が、経営の再構築や販路の開拓などに取り組む際、その費用の一部を国が補助する制度です。通常枠とは別に設けられた特別な枠であり、事業者が自ら策定した経営計画に基づいて実施する再建活動が支援の対象となります。
最大200万円の補助が受けられるこの制度は、被害からの早期立て直しを目指す事業者にとって、活用価値の高い支援策といえるでしょう。
補助対象となる小規模事業者の条件と確認ポイント
災害支援枠を申請できるのは、災害によって被害を受けた一定の小規模事業者です。法人、個人事業主のいずれも対象となりますが、いくつかの要件があります。
申請可能な事業者の例
- 株式会社、合同会社、合資会社などの法人
- 商工業を営む個人事業主
- 要件を満たした特定非営利活動法人(NPO法人)
申請できない主な事業者
- 医師、歯科医師、助産師などの個人開業者
- 農業者(系統出荷による収入のみの個人など)
- 宗教法人、学校法人、医療法人、社会福祉法人などの各種法人
- 事業を開始していない創業予定者や任意団体
また、過去に持続化補助金災害支援枠で採択を受けた場合は、原則として再申請はできません。ただし、特定の災害による新たな被害があった場合には例外が認められることがあります。
対象事業の条件と補助対象外になるケース
補助金の対象となる事業は、単なる修復や復旧にとどまらず、経営改善や販路拡大につながる再建計画に基づいた取り組みであることが求められます。
補助対象となる事業の要件
- 被害を受けた事業者が策定した経営計画に基づく取り組み
- 商工会または商工会議所の支援を受けて実施すること
- 補助事業の期間内に完了すること
- おおむね1年以内に売上に寄与する見込みがあること
補助対象外となる事業内容
- 他の国の補助金と重複している事業
- 被害と関係のない単純な修繕や買換え
- 射幸心をあおるなど、社会的に問題があると判断される事業
- 自家生産した原材料による1次産業的な製造(一定の条件下で除外可)
補助金の上限額と補助率は被害状況によって異なる
補助率は事業費の3分の2で統一されていますが、被害の種類によって補助金の上限額が異なります。
補助金額と補助率の内訳
- 補助率:2/3
- 補助上限額
- 直接的な被害が確認された場合は上限200万円
- 間接的な被害の場合は上限100万円
間接被害とは、災害によって地域のインフラや供給網が損なわれたことで、売上が大きく減少したといったケースが該当します。
補助対象経費の具体例と注意点
補助対象となる経費は、経営計画の達成に必要であることが前提です。補助対象とならない経費もあるため、十分に確認する必要があります。
対象となる主な経費
- 機械装置や業務用設備の購入費
- 販促物制作や広告掲載などの広報費
- ウェブサイト制作・改修・EC機能導入費
- 展示会出展に関する費用
- 事業に関連した旅費
- 新商品・サービス開発のための試作費
- 設備撤去・修繕費
- 外注費・委託費
- 業務用車両の購入費(一定条件あり)
中古設備の購入も、状態や取得ルートによって補助対象となる場合があります。
申請手続きの流れと書類準備のポイント
第6次公募はすでに終了しており、今後の公募スケジュールは追って発表される予定です。過去のスケジュールを参考に、事前準備の流れを確認しておきましょう。
申請の主な流れ
- GビズIDプライムの取得(電子申請の場合)
- 商工会または商工会議所へ支援機関確認書を依頼
- 必要書類の準備と提出(郵送またはJグランツ)
- 審査・採択結果の通知
- 補助対象事業の実施
- 実績報告と補助金の請求・交付
提出が必要な主な書類
- 応募対象者確認シート
- 補助金交付申請書
- 経営計画書
- 支援機関確認書
- 被害を証明する資料(公的証明または売上減少を示すデータ)
- 財務書類(確定申告書、貸借対照表など)
審査基準と採択のポイントを押さえる
審査は2段階で構成されており、書類の不備や計画の不透明さがあると不採択の可能性もあります。
基礎審査で見られるポイント
- 情報の完全性と整合性
- 補助対象者および事業の適合性
- 実施体制・資金計画の妥当性
- 申請者が主体的に取り組む内容であること
計画審査の評価内容
- 再建事業としての効果と実行可能性
- 被害の深刻さと必要性の高さ
- 市場分析や将来性を含む経営戦略の説得力
- 費用の見積もりが適切かどうか
採択率の傾向から見る制度の活用しやすさ
災害支援枠は、他の補助金制度に比べて採択率が高く、審査のハードルも比較的低めです。
採択率の実績
| 公募回 | 申請数 | 採択数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 第1次 | 285件 | 256件 | 89.8% |
| 第2次 | 697件 | 588件 | 84.4% |
| 第3次 | 770件 | 668件 | 86.8% |
| 第4次 | 365件 | 332件 | 91.0% |
| 第5次 | 497件 | 426件 | 85.7% |
90%近い採択率となっており、申請内容が適切であれば十分に採択が期待できます。
持続化補助金災害支援枠を活用して事業の再建を目指す
2025年の第6次公募はすでに終了していますが、今後も災害支援枠の公募は継続される見込みです。補助金の活用を検討している場合は、次回の公募に向けて早めに準備を始めることが重要です。
特に支援機関確認書の取得には時間がかかるため、商工会や商工会議所との連携を密にし、経営計画書の作成も計画的に進めておきましょう。災害からの再建に向けて、実効性の高い補助制度を上手に活用していくことが、事業継続と成長への第一歩となります。

