2025年度の「小規模事業者持続化補助金」は、従来の特別枠を整理し、経営計画の策定支援に重点が置かれる制度へと改定されました。補助の枠組みは4つに分類され、事業者の状況や目的に応じて選択できるようになっています。
インボイス制度や最低賃金引上げなどの政策連動特例も含まれており、より実践的な経営支援策となっています。本記事では、制度の概要から各支援類型の特徴、補助対象、申請の流れまでをわかりやすく解説します。
小規模事業者持続化補助金の基本概要と目的
小規模事業者持続化補助金は、地域経済の根幹を担う小規模事業者が持続可能な経営基盤を構築し、新たな販路開拓や業務効率化を図るための制度です。申請者は商工会や商工会議所の支援を受けながら経営計画を策定し、その計画に基づく具体的な取り組みに対して、補助金が交付されます。
この制度は、業種や事業規模に応じて適用され、たとえばサービス業や商業では従業員5人以下、製造業や建設業などでは20人以下の事業者が対象となります。
2025年度の制度改定と主な変更点
特別枠を再編し経営計画策定を中心に据える方針
2025年度では、「卒業枠」「後継者支援枠」など複数あった特別枠を統合・廃止し、申請時の選択肢を明確化。これにより、申請者はより分かりやすく、かつ自社に最適な支援類型を選びやすくなっています。さらに、商工会等との連携による経営計画の策定支援がこれまで以上に重視されるようになりました。
この変更は、制度の本来の趣旨である「経営の見直しと成長戦略の明確化」を強化する狙いがあり、計画的な事業運営を支援する制度へとシフトしています。
4つに再編された支援類型の特徴と補助内容
一般型(通常枠):幅広い事業者が活用できる基本枠
通常枠は、持続化補助金の基本形であり、販路開拓や業務改善を目指す小規模事業者を対象としています。
- 補助上限額:50万円(特例適用で最大250万円)
- 補助率:原則2/3(賃金引上げ特例で3/4)
- 特例内容:
- インボイス登録で+50万円
- 最低賃金引上げで+150万円
一般型の補助対象となる経費一覧と留意点
対象経費には、機械装置費やウェブサイト制作費、広報費、展示会出展費、旅費、新商品開発費などが含まれます。特に最近では、オンライン展示会やデジタル広告など、デジタル分野の取り組みに対しての申請も増加傾向にあります。
災害支援枠:災害被害を受けた事業者への特別支援
自然災害によって直接・間接的な被害を受けた事業者が対象で、被害の内容に応じて支援額が異なります。
- 補助上限額:直接被害 200万円、間接被害 100万円
- 補助率:2/3(条件により定額支給あり)
補助対象経費に修繕費や設備処分費、車両購入費が含まれるなど、災害後の早期復旧・再建を後押しする内容となっています。
創業型:創業初期の成長を支える補助制度
創業から3年以内の小規模事業者を対象とし、事業立ち上げ時に必要な設備投資や販路開拓を支援します。
- 補助上限額:200万円(インボイス特例で最大250万円)
- 補助率:2/3
創業型申請に必要な認定支援の条件
申請には、「特定創業支援等事業」を受けた証明や、認定市区町村と連携した創業支援を受けた実績が求められます。これにより、創業後の経営力強化に向けた支援体制が整っていることが確認されます。
共同・協業型:複数事業者による連携プロジェクト支援
商工団体などの地域振興機関が主導し、小規模事業者10者以上が連携して実施する大規模プロジェクトが対象です。
- 補助上限額:最大5,000万円
- 補助率:小規模事業者は2/3、振興機関には定額支給
支援対象となる具体的な事業類型
- 展示会・商談会型:出展による販路開拓
- 催事販売型:即売会等による売上拡大
- マーケティング拠点型:市場調査・プロモーション拠点の構築
ビジネスコミュニティ型:商工団体の内部組織による取組支援
地域の青年部や女性部などが中心となり、若手経営者や女性起業家の経営力向上を目指す取り組みを支援します。
- 補助上限額:50万円(共同で100万円)
- 補助率:定額支給
対象となるのは、法令に基づく認定を受けた内部組織であり、5者以上の小規模事業者が参画することが条件です。
申請から補助金受領までの流れとスケジュール
2025年度 第17回公募のスケジュール
- 公募開始:2025年5月1日
- 申請締切:2025年6月13日(17:00)
- 確認書発行期限:2025年6月3日
申請はすべて電子申請システムを通じて行われ、郵送は受け付けられません。
補助金申請のステップごとの流れ
- GビズIDプライム取得
- 事業支援計画書の依頼(商工会・商工会議所)
- 申請書類の作成と提出
- 審査・採択通知の受領
- 交付決定と補助事業の開始
- 事業実施と実績報告書の提出
- 補助金の請求・受領と、1年後の事業効果報告
まとめ:2025年は経営強化を支える補助金制度へ進化
小規模事業者持続化補助金は、単なる資金援助にとどまらず、経営計画の策定から実行、フォローアップまで一貫してサポートする仕組みへと進化しています。2025年度は、支援枠が整理され、より選択しやすくなったことで、事業者にとって使いやすく効果的な制度となっています。
各事業者は、自社のステージや課題に応じた支援類型を選び、商工会等の支援を受けながら戦略的に活用することで、販路拡大や業務改善に大きく役立てることができるでしょう。補助金を通じて、長期的な成長への一歩を着実に踏み出すことが期待されます。

