コロナ給付金の課税対象と非課税対象の違いと判断基準

新型コロナウイルス対策として実施された各種補助金・助成金・給付金には、税法上の「課税対象」と「非課税対象」があります。課税か非課税かの違いは、所得税法や関連法令に基づき、給付の目的や制度の設計によって判断されます。

本記事では、税務上の基本的な考え方とともに、コロナ関連給付の課税・非課税の違いについて解説します。

補助金や給付金は原則課税されるのが基本

所得税法における所得の定義

税法上の「所得」とは、新たに得た経済的な利益のことを指します。所得税法では、すべての所得を原則課税対象とする「包括的所得概念」が採用されており、反復的に得られる収入だけでなく、一時的・偶発的に得られる収入も対象に含まれます。

したがって、補助金や助成金も例外ではなく、所得税法上で非課税と明記されていない限り、基本的には課税対象とされます。

非課税所得は法令で明記されたものに限られる

所得税法第9条では、非課税となる所得が限定的に列挙されています。これを「限定列挙主義」と呼び、それ以外の所得はすべて課税対象となるという前提に立ちます。非課税扱いとするには、法的な根拠が不可欠です。

特例法がある場合は非課税扱いとなることも

ただし、コロナ関連の給付金の中には、特別の法律や政令によって非課税とされたものがあります。こうした特例法が適用される場合は、一般法である所得税法よりも優先され、その給付は非課税扱いとなります。

家計支援を目的とした給付金は非課税となる傾向がある

非課税の根拠となる具体的な法律や条文

生活に直接影響するような給付金については、非課税の特例措置が設けられるケースが多く見られました。たとえば、特別定額給付金は「新型コロナ税特法」により、また学生支援緊急給付金は所得税法第9条第1項第15号(学資として支給される金品)により、それぞれ非課税扱いとされています。

主な非課税給付の具体例と支給目的

  • 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
    労働者個人が申請でき、生活費補填の目的で支給されたもの(特例法による非課税)。
  • 特別定額給付金(一律10万円の支給)
    全国民に支給された生活支援策で、特例法により非課税。
  • 子育て世帯への臨時特別給付金
    子育て家庭の負担軽減を目的とした支援策で、特例法により非課税。
  • 学生支援緊急給付金
    経済的に困窮する学生向けに支給された給付金。学資に該当するため非課税。
  • 低所得世帯や医療従事者への慰労金など
    所得税法上の「見舞金」に該当し、心身や財産への損害を補う趣旨で非課税とされる。

これらの制度は、生活を支えることを主眼に置いたため、課税による負担を避ける形で法的な非課税措置が講じられました。

事業活動を支援する給付金は課税されるのが通例

事業収入に該当する支援金は課税対象

事業継続や売上補填を目的とした給付金は、受け取った事業者にとって収入とみなされるため、原則として課税対象となります。これらは事業所得として確定申告時に計上される必要があります。

主な課税対象の支援制度

  • 雇用調整助成金
    事業主が従業員の休業手当を補填するために利用する制度。従業員本人が直接受け取る支援とは異なり、事業者の収入に該当。
  • 持続化給付金・家賃支援給付金
    いずれも売上の減少に対する補填であり、課税対象となる。
  • 小規模事業者持続化補助金や経営継続補助金
    業務改善や経営安定を目的とした支援で、原則的に課税。
  • 感染拡大防止協力金
    営業時間の短縮などに協力した事業者に対して支給されたもの。あくまで事業活動に関係するため課税対象。

なお、これらの支援制度は2020年から2022年にかけて実施され、現在は募集・支給が終了しているものも多いため、確定申告などで過去の取り扱いを確認する際には注意が必要です。

課税か非課税かを判断するために見るべきポイント

支給の目的と対象者を確認する

給付金が生活支援か事業支援かによって、課税・非課税の判断は大きく変わります。特に雇用関連では、個人が直接受け取るか、事業主が補填を受けるかによって課税区分が異なります。

法令や制度設計の確認が不可欠

給付金の取り扱いは、制度ごとに異なるため、必ず支給の根拠となる法令やガイドラインを確認することが重要です。ホームページや公式資料に「非課税」や「課税対象」と明記されているかどうかが判断の手がかりになります。

まとめ

新型コロナ対策として実施された補助金や給付金のうち、生活支援を目的とした給付は非課税、事業支援を目的とした給付は課税とされる傾向があります。

課税・非課税の区分は、制度の目的や法的根拠に基づいて決まっており、明確な線引きが存在します。今後の支援制度についても、支給の趣旨と法令上の位置づけをしっかりと確認することが、適正な税務処理を行うための鍵となります。

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