小規模事業者向けの「持続化補助金」は、販路開拓や業務改善など幅広い目的に活用できる補助金制度です。本制度には「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」という2つの申請枠が設けられており、それぞれ補助対象や条件に違いがあります。
本記事では、両者の違いや注意点について詳しく解説し、適切な申請枠選びのためのポイントを紹介します。
小規模事業者持続化補助金の基本的な仕組み
小規模事業者持続化補助金は、商工業を営む小規模な法人・個人事業主などが行う経営改善活動を支援する制度です。
販売促進、新サービスの展開、オンライン化の推進など、幅広い事業が対象になります。業種ごとに「小規模事業者」の基準が定められており、常時使用する従業員数により該当の可否が判断されます。
補助金の種類と補助内容の違いを解説
持続化補助金には大きく分けて「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」の2種類があります。それぞれで補助金額や補助率、対象となる経費が異なります。
一般型と低感染リスク型の補助上限額と補助率の比較
| 種別 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 一般型 | 最大50万円 | 2/3 |
| 低感染リスク型ビジネス枠 | 最大100万円 | 3/4 |
「低感染リスク型ビジネス枠」は、ポストコロナ社会を見据えた取り組みに対して、より手厚い支援が受けられる点が特徴です。
低感染リスク型ビジネス枠で補助対象となる感染防止対策費の詳細
感染防止対策費が補助対象となる範囲
「低感染リスク型ビジネス枠」では、感染リスクを下げるための設備投資や備品購入なども補助対象となります。具体的には以下のような費用が該当します。
- 消毒液やマスクなどの衛生用品
- 空気清浄機や換気設備
- 飛沫防止パネルや仕切り
- サーモカメラや非接触体温計などの機器
この経費は、全体の1/4(最大25万円)まで補助対象となり、売上が大きく減少した事業者には最大1/2(最大50万円)まで引き上げられる特例があります。
感染防止対策費に関する補足と誤解しやすい点
この補助はあくまで、全体の補助額の中に含まれる経費区分の一つです。つまり、感染防止対策費が別枠で追加されるわけではないため、計画的に予算配分を検討する必要があります。
補助対象事業の考え方と具体的な条件
ポストコロナに対応した事業内容が求められる
低感染リスク型ビジネス枠では、「対人接触の機会を減らす」ことと「事業継続」を両立させる取り組みが補助の前提となります。たとえば、個室導入による飲食店の改装、テイクアウト可能な商品の開発、非接触でのサービス提供システムの導入などが対象となります。
一般型では広く販路開拓を支援
一方、一般型は感染対策に特化せず、従来の事業改善や販路開拓、広告・広報活動、新商品開発など多様な取り組みを広く支援します。
補助金の対象者に求められる要件とは
補助金を申請できるのは、以下のような条件を満たす小規模事業者です。
- 業種に応じた従業員数の上限以内であること
- 大企業による完全子会社ではないこと
- 高額な課税所得を継続的に得ていないこと
- 他の補助金との重複利用がないこと
このほか、過去に類似補助金の交付を受けた事業者については、重複申請が制限される場合があります。
交付までの手続きの流れと必要書類
電子申請に対応した仕組みが導入されている
「一般型」は郵送申請も可能ですが、「低感染リスク型ビジネス枠」はオンライン申請専用となっており、GビズIDの取得が必要です。
補助金交付までの手続きステップ
- GビズIDを取得し「Jグランツ」で申請
- 書類審査と採択通知
- 補助事業の実施と完了報告
- 補助金額の確定と請求手続き
- 交付金の入金
申請に必要な主な書類
- 経営計画書・補助事業計画書
- 財務諸表や確定申告書類
- 宣誓・同意書
- 必要に応じて商工会・商工会議所の支援確認書
公募締切と今後の制度運用についての注意点
過去に行われた「低感染リスク型ビジネス枠」の公募は、2022年までに全6回実施されており、現在は新規受付が終了しています。
しかし、今後の政策動向によっては、類似の制度が新設される可能性もあるため、公式サイトや関連機関の発表を常にチェックしておくことが重要です。
まとめ
「持続化補助金」は、小規模事業者が自社の成長や生き残りのために活用できる非常に有効な制度です。「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」は補助内容や対象経費が異なるため、自社の事業内容や将来的な展望に合わせて適切な枠を選択することが大切です。
特に、ポストコロナに向けた対人接触の削減や新たなサービスの導入を検討している場合は、感染防止対策も支援対象となる「低感染リスク型ビジネス枠」の内容を把握しておくとよいでしょう。

