新型コロナウイルスの影響に対応するために創設された「小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉」の第一回公募における採択結果が公表されました。
本記事では、各業種がこの補助金をどのように活用したかについて、類型別の取り組み内容とともに解説します。ECサイト構築、非接触対応、テレワーク導入など、業種ごとの特徴的な事例を通じて、補助金の効果的な使い方が見えてきます。
小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉の概要
補助金の目的と対象
この制度は、新型コロナウイルスによる経済的影響に対応し、小規模事業者の経営継続と販路開拓を支援する目的で設けられた補助金です。対象は以下の条件を満たす小規模事業者です。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):従業員5人以下
- 宿泊業・娯楽業:従業員20人以下
- 製造業・その他:従業員20人以下
補助の対象となる取り組みと分類
補助金の対象事業は「地道な販路開拓」と、以下3つのいずれかの取り組みを組み合わせて行う必要があります。
- A類型:サプライチェーンの毀損への対応(設備投資など)
- B類型:非対面型ビジネスモデルへの転換(ECサイト、テイクアウト導入など)
- C類型:テレワーク環境の整備
いずれの類型も、補助対象経費の1/6以上を該当する取り組みに充てる必要があります。
補助内容
- A類型:対象経費の2/3(上限100万円)
- B・C類型:対象経費の3/4(上限100万円)
- 特定業種(接待飲食業など):上限150万円
- 事業再開枠:感染防止対策に対する定額補助(上限50万円)
業種別の採択事例に見る活用傾向
小売業の活用事例:ECサイトによる販路拡大【B類型】
小売業では、店舗販売からオンライン販売への転換が中心となりました。高機能なECサイトの構築や、非対面型の販売システムの導入などが多く見られます。
- ECサイト新設による通信販売の強化
- 顧客管理機能付きのオンライン販売体制の構築
- 非接触型カタログ販売の導入
これらの事例は、感染リスクを避けながら新たな販売ルートを確立し、持続的な売上確保を目指したものです。
飲食業の活用事例:テイクアウトとセルフオーダー対応【B類型】
飲食業では、営業自粛や時短要請などへの対応が求められ、テイクアウト・デリバリーの導入や自動化設備の導入が進められました。
- 液晶券売機・セルフレジの導入
- 店舗改装による非接触提供の食事スペースの整備
- デリバリー対応メニューの拡充と設備投資
非対面化による安心・安全な食事提供が、顧客満足度と売上の維持に貢献しています。
宿泊業の活用事例:非接触型運営への転換【B類型】
宿泊業では、非接触型の運営体制への移行が中心となり、自動チェックインや遠隔対応システムの導入が進められました。
- 自動化による宿泊受付・管理システムの整備
- 客室の洋室化・清掃体制の見直しによる安全性向上
感染症対策に加え、運営効率の向上も図られています。
建設業の活用事例:現場の遠隔対応と機械化【B・C類型】
建設業では、対面を避けた業務体制の確立が課題となり、テレワーク環境の整備や遠隔管理が採択されています。
- 工事進行管理のクラウド化
- 営業活動のオンライン対応への切り替え
- 重機導入による作業の自動化と省人化
人と人の接触を最小限に抑えながら業務を継続する工夫が見られました。
製造業の活用事例:供給体制の強化と生産効率化【A類型】
製造業では、供給体制の維持を目的とした設備投資が多く見られました。自社内製化による外注依存の低減が主な狙いです。
- 専用機械導入による部品製造の内製化
- 3Dプリンターを活用した製造工程の短縮
- CADシステムの導入による設計効率の向上
A類型の活用が多く、安定供給体制の確立を重視する傾向が見られました。
サービス業・その他の活用事例:オンライン対応とテレワーク強化【B・C類型】
サービス業では、B類型によるオンライン対応が多く、学習塾、フィットネス、セミナー事業などが中心です。
- オンライン指導や遠隔セミナーへの移行
- VRや情報ロボットの活用による接客業務の簡素化
- テレワーク環境の導入と事務所機能の再構築
C類型の活用は少ないものの、複数の助成制度との使い分けにより、補助金を有効活用する動きもあります。
各業種における補助金活用の傾向と今後の展望
持続化補助金(コロナ特別対応型)の採択事例からは、各業種が抱える課題に応じた取り組みが広がっていることがわかります。特に、非接触型のサービス提供やテレワーク化といった対応が多くの業種で共通しています。
今後もこうした公的支援制度は、状況に応じて柔軟に活用されることが期待されており、申請にあたっては自社の課題と施策の整合性を重視することが重要です。

