2022年度補正予算で拡充された中小企業向け補助金の内容を解説

2022年度の第2次補正予算では、経済産業省が中小企業・小規模事業者への支援を強化するため、大規模な予算を編成しました。特に、賃上げ支援やグリーン投資、インボイス制度への対応を促進する補助金制度の拡充が特徴です。

資金繰り支援をはじめ、事業再構築補助金やものづくり補助金の新設枠、小規模事業者持続化補助金の上限引き上げなど、多角的な支援が盛り込まれています。今回は、それら補助金制度の改定ポイントをわかりやすく解説します。

中小企業支援に特化した補正予算の全体像と背景

2022年11月に政府が閣議決定した補正予算は、急激な物価上昇やコロナ禍の影響に対応し、経済の回復と再生を目的としたものでした。この中で経済産業省は、中小企業・小規模事業者等への支援に約1兆1190億円を割り当て、各種補助金の拡充に取り組みました。

この補正予算は2023年3月末を目途に施行されたため、すでに多くの制度が運用されています。現時点では、今後の制度改正や次年度予算にもつながる施策として注目されています。

資金繰り支援策として新たな信用保証制度を導入

補正予算では、コロナ禍の影響を受けた中小企業の資金繰り対策として、従来のゼロゼロ融資の返済に備えた借換保証制度が新設されました。

経営者保証のない創業支援制度も整備

創業期の中小企業に向けて、経営者保証が不要な新たな信用保証制度が導入されました。保証上限は3,500万円とされており、起業のハードルを下げる狙いがあります。

事業再構築補助金が大幅に拡充され特別枠も新設

総額5800億円が充てられた事業再構築補助金では、中小企業の業態転換や新分野展開を後押しする新しい補助枠が設けられました。

成長市場や国内回帰に向けた4つの特別枠

新設された特別枠には以下のような特徴があります。

  • 成長枠:市場規模が10%以上拡大している分野への進出を支援(最大7000万円)
  • グリーン成長枠(エントリークラス):要件を緩和し、脱炭素化への取り組みを後押し(最大8000万円)
  • 産業構造転換枠:縮小市場からの撤退と転換を支援(最大7000万円、廃業費加算あり)
  • サプライチェーン強靱化枠:国内生産への回帰や安定供給体制の確保を支援(最大5億円)

賃上げを促進するためのインセンティブ制度

事業再構築補助金では、賃上げを実施する企業に対して補助率を1/2から2/3に引き上げる措置が講じられました。また、事業終了後3~5年間にわたり一定の水準を維持した場合、補助上限額に最大3000万円の上乗せが行われる仕組みです。

ものづくり補助金の対象拡大と補助上限の引き上げ

革新的製品やサービスの開発・生産を支援するものづくり補助金には、新たに「グローバル市場開拓枠」が追加されました。海外展開に必要なブランディングやプロモーション費用が補助対象となり、国際展開を視野に入れた企業にとって大きな後押しとなります。

脱炭素社会に向けたグリーン枠の拡充

グリーン枠では、温室効果ガス排出削減の達成度に応じて、エントリー・スタンダード・アドバンスの3段階の補助上限が設定され、幅広い省エネ投資が支援対象となります。

さらに、賃上げに取り組む企業には、事業終了後の水準維持によって最大1,000万円の補助額上乗せが可能です。

小規模事業者持続化補助金で販路拡大とインボイス対応を支援

小規模事業者が販路開拓や業務改善に取り組むための持続化補助金は、今回の補正で「インボイス枠」が拡充されました。課税事業者への転換を進める事業者には、上限額が従来の100万円から150万円に引き上げられます。

多様な目的に応じた補助枠の選択肢

現行制度では以下のような枠が設けられています。

  • 通常枠:最大50万円
  • 賃金引上げ枠:最大200万円
  • 卒業枠・創業枠・後継者支援枠:それぞれ最大200万円
  • インボイス枠:最大150万円(補助率は2/3または3/4)

IT導入補助金では小規模導入への対応が強化

中小企業のデジタル化を支援するIT導入補助金は、「デジタル化基盤導入枠」などが引き続き活用可能となっており、インボイス対応を見据えた会計ソフトや受発注管理ツールの導入が推奨されています。

安価なITツールも対象に補助下限を撤廃

補助下限額が従来の5万円から撤廃されたことで、より手軽に導入できるツールも補助対象となりました。また、複数の中小企業が連携して導入する「複数社連携型IT導入枠」も継続されています。

事業承継補助金で後継者問題やM&A後の支援を強化

事業承継・引継ぎ支援事業では、後継者不在の企業へのM&A支援や、経営革新に取り組む事業者への補助金が用意されています。

経営革新事業での賃上げ努力が補助上限引き上げに反映

「経営革新事業」では、事業終了時に事業場内最低賃金が地域最低賃金より30円以上高ければ、補助上限が600万円から800万円に引き上げられます。

円安や物価高への対応と中小企業支援体制の整備

海外展開支援とインバウンド需要の喚起

円安をチャンスと捉えた海外展開支援として「中小企業国際化総合支援事業」が設けられ、中小企業の輸出や販路開拓を後押しします。加えて、消費喚起を目的とした商店街の取り組みなども支援対象です。

経営環境の変化に対応する相談体制の強化

中小企業のインボイス対応、省エネ対策、DX推進に向けた相談体制が強化され、支援機関の体制整備にも予算が配分されました。

自然災害からの復旧に向けた補助制度も継続

2020年以降の豪雨や地震被災地域への支援として、「なりわい再建支援補助金」や「グループ補助金」が引き続き活用可能となっています。これらの支援は地域経済の復旧を加速させる重要な役割を果たしています。

補正予算を活用した補助金制度は今後の政策の指針に

今回の補正予算は、中小企業が直面する経済的課題に対して即効性のある支援策が盛り込まれており、特に賃上げやグリーン投資、デジタル化といった将来を見据えた取り組みへの後押しが明確でした。

現在すでに多くの補助金制度が運用されており、次年度以降の政策にも引き継がれる可能性があります。最新情報を確認しながら、自社にとって最適な制度を選び、計画的に活用していくことが重要です。

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