2024年度の補正予算では、中小企業庁による新たな補助金の創設や既存制度の見直し・拡充が行われました。本記事では、生産性向上支援、新規事業への挑戦支援、資金繰りや災害対策まで、多岐にわたる支援内容を体系的に整理しています。
補助率や要件の見直し、新制度の創設によって、企業の成長や賃上げを後押しする環境が整備されており、今後の活用が期待されます。
生産性向上と賃上げを両立させるための補助金制度の見直し
主要な補助金制度がより柔軟に使いやすく
中小企業の賃上げを持続的に実現するため、設備投資や業務効率化への支援が拡充されました。特に、「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」「事業承継・M&A補助金」といった既存制度の見直しが進められています。
- 補助率の引き上げ
最低賃金近傍の従業員を雇用する事業者については、補助率が従来の1/2から2/3に引き上げられます。 - 制度の簡素化と支援範囲の拡大
経営計画の策定を促す仕組みや、セキュリティ対応、アフターサポートまで含めた補助内容に変更されています。
各補助金の具体的な変更点とポイント
ものづくり補助金の補助上限が拡大
高付加価値な製品やサービスの開発を進める企業に対して、補助上限額の引き上げと賃上げ要件の見直しが行われます。設備投資による成長を目指す企業には大きな追い風となります。
IT導入補助金でセキュリティ対策も支援対象に
これまで以上に広範なITツールの導入を支援する仕組みへと改正され、特にセキュリティ対策に重点が置かれています。汎用ツールや導入後の支援も補助の対象に追加され、導入ハードルが下がりました。
小規模事業者持続化補助金の枠組み整理
通常枠や創業枠などに再編され、制度がより分かりやすく、使いやすい形に整理されました。経営計画の重要性が一層高まる中、事前準備がより重要になります。
事業承継・M&A補助金に新たな支援枠が登場
統合支援やトラブル防止費用も補助対象となり、M&Aを実施しやすい環境が整備されました。売上高100億円を目指す企業向けには補助上限額も引き上げられています。
新事業に挑戦する企業を後押しする新補助金の創設
新事業進出補助金が新たにスタート
中小企業や小規模事業者が新分野に進出し、事業の多角化や成長戦略を展開できるよう、「新事業進出補助金」が創設されました。
補助対象となる具体的な取組内容
この補助金では、以下のような経費が対象とされます。
- 建物や機械設備の導入費用
- 新たなシステムや技術の導入にかかる費用
- 専門家への相談料や外注費
申請には、新規性のある事業であることや、賃金に関する一定の要件を満たす必要があります。
成長を加速させるための新制度と投資支援の拡充
売上高100億円を目指す中小企業向け支援策が充実
企業の中長期的な成長を支援するため、複数の新制度が導入されました。特に、成長志向の強い企業に対しては、資金調達から経営支援まで一貫した支援が展開されます。
中小企業成長加速化補助金で幅広い経営課題に対応
対象となるのは、売上高100億円を目指す意欲的な企業です。設備投資をはじめ、M&A、海外展開、人材育成といった幅広い課題に対応するための経費が補助対象になります。
中堅・中小成長投資補助金で大規模投資にも対応
地域経済を支える中堅企業の大規模な工場建設や拠点整備への支援が強化されました。経営人材の受け入れ体制を整えるための給付金も拡充され、持続的な成長体制の構築が可能になります。
100億企業育成ファンドでリスクマネーを供給
中小企業基盤整備機構が出資するファンドを通じて、売上拡大を目指す企業に対してリスクマネーを提供し、より大胆な成長戦略を可能にします。
省力化投資支援がより柔軟に運用可能に
企業の業務効率化や人手不足への対応を促進する「省力化投資支援」の仕組みも改善されています。
- カタログ形式で選べる支援:あらかじめ登録された機器やツールから選択可能。
- オーダーメイド型支援:企業ごとの個別課題に応じた支援設計が可能。
これにより、より多様なニーズに対応できる柔軟な制度運用が実現されます。
中小企業の取引改善と価格転嫁支援の強化
中小企業が適正な価格で取引を行えるよう、「中小企業取引対策事業」により価格交渉や条件改善をサポートする仕組みが導入されました。価格交渉促進月間などの取組を通じて、交渉力強化が図られます。
資金繰りと経営再建を支援する体制の整備
日本政策金融公庫の支援強化と利率優遇制度
省力化投資を行う企業や賃上げに取り組む企業に対しては、金利の引き下げや貸付限度額の拡大などの優遇措置が継続されます。新たに創設された制度では、コロナ特別貸付の借換えにも対応しています。
信用保証制度による中小企業支援
協調支援型保証制度や経営改善サポート保証により、金融機関との連携が深まり、資金繰りの安定が図られます。保証料の一部が補助されるため、企業の負担軽減にもつながります。
相談体制と事業承継支援を地域単位で強化
専門家の派遣や支援センターの体制強化により、地域に根ざした相談支援が実施されます。中小企業の課題解決力が向上することで、持続可能な経営体制の構築が期待されます。
災害復旧と復興支援も引き続き実施
災害被害を受けた地域では、既存の補助制度が活用され、施設の再建や設備投資に対する支援が継続されます。補助対象の拡大や上限引き上げにより、より実効性の高い復旧支援が可能となっています。
補助金制度を積極的に活用して事業を前進させる
2024年度補正予算を通じて実施される補助金や支援制度は、事業の成長だけでなく、経営基盤の強化や賃上げ実現にもつながる重要な施策です。
制度の詳細は今後順次公表されるため、内容を的確に把握し、事業計画に反映させながら、積極的な活用を検討していくことが求められます。

