2025年版中小企業向け補助金主要制度を徹底解説

2025年度は、中小企業の成長支援を目的とした補助金制度がこれまで以上に充実しています。定番の「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「持続化補助金」に加え、「成長加速化補助金」「新事業進出補助金」といった新たな支援策もスタートしました。

本記事では、各補助金の特徴や変更点を整理し、制度のポイントをわかりやすく解説します。

2025年度生産性革命推進事業による中小企業支援策

政府が推進する「生産性革命推進事業」は、総額3400億円を投じて中小企業の競争力向上を目指しています。対象となる補助金は以下の5種類です。

  • ものづくり補助金
  • IT導入補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 事業承継・M&A補助金
  • 中小企業成長加速化補助金

それぞれの補助金について、2025年度の最新情報を順番に確認していきましょう。

ものづくり補助金2025年版の変更ポイントと支援内容

ものづくり補助金は、革新的な製品開発や生産プロセス改善を支援する定番制度です。2025年度は支援枠の見直しと制度の利便性向上が行われました。

支援枠別の補助率と上限額

支援枠補助率上限額
製品・サービス高付加価値化枠中小企業1/2、小規模・再生事業者2/3750万~2500万円
グローバル枠中小企業1/2、小規模事業者2/33000万円

2025年度の主な変更点

2025年4月11日から25日にかけて第19次公募が行われましたが、今後も追加公募が予定されています。今回の改定では、省力化枠の廃止と新たな高付加価値化枠への集約が特徴です。また、収益納付義務が撤廃され、補助金の使い勝手が大幅に改善されています。

IT導入補助金2025年版の拡充内容と申請時の注意点

業務効率化や生産性向上を目指す企業を対象に、ITツール導入を支援するIT導入補助金も、2025年度に大きな拡充が行われました。

支援枠別の補助内容と上限額

支援枠補助率上限額
通常枠1/2(最低賃金近傍の事業者は2/3)最大450万円
セキュリティ対策推進枠1/2(小規模事業者は2/3)150万円
インボイス枠・電子取引類型中小企業2/3最大350万円

新たに加わった補助対象経費

保守サポート費、マニュアル作成費、導入後の活用支援費用も補助対象に加わり、実務に即したサポート体制が整いました。なお、2025年3月31日から5月12日までに行われた第1次締切分の申請はすでに終了していますが、今後の締切にも注目が集まっています。

小規模事業者持続化補助金2025年版で経営計画策定を重視

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓支援を目的とする制度で、2025年度からは特別枠の整理と新たな支援型の新設が行われました。

支援枠と補助額の詳細

支援枠補助率上限額
通常枠2/3(特例活用時3/4)最大50~250万円
災害支援枠2/3、定額最大200万円
創業型2/3最大200万円
共同・協業型2/3、定額最大5000万円
ビジネスコミュニティ型定額最大100万円

2025年度の変更点

これまでの卒業枠や後継者支援枠が廃止され、創業型や共同・協業型など新たな支援枠が設けられました。また、経営計画づくりに重点を置く姿勢が強化され、申請準備段階での計画策定が重要となっています。

事業承継とM&Aを支援する事業承継補助金2025年度版

事業承継・M&A補助金は、経営資源の引き継ぎや企業の再編を支援する制度です。2025年度は、補助上限額が拡大され、支援対象が広がりました。

支援内容と補助率

  • 補助率:1/3、1/2、2/3(条件により異なる)
  • 上限額:最大2000万円

2025年度の注目ポイント

新たに設けられた「PMI推進枠」により、M&A後の経営統合作業にかかる費用支援も拡充されました。現在、公募開始時期は調整中となっていますが、情報公開を待ちながら準備を進めることが推奨されます。

成長志向型中小企業を支援する成長加速化補助金2025年版

成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業による大規模投資を後押しするために新設されました。

補助内容と申請要件

  • 補助率:1/2
  • 上限額:5億円

申請には、1億円以上の投資とともに、売上高100億円を目指すビジョン策定、賃上げ要件の達成、3年間の事業計画策定が求められます。申請期間は2025年5月8日から6月9日までとなっています。

新市場開拓を支援する中小企業新事業進出補助金

新設された中小企業新事業進出補助金は、高付加価値事業への挑戦や新市場進出を目指す中小企業を強力に支援します。

支援内容と特例措置

  • 補助率:1/2
  • 上限額:従業員規模に応じて最大9000万円(大幅賃上げ特例適用時)

対象事業者には、付加価値額の年平均成長率4.0%以上を見込む事業計画が求められます。申請受付は2025年6月ごろ開始予定で、7月10日までの申請締切が予定されています。

まとめ

2025年度の補助金制度は、中小企業の多様なニーズに応える内容に進化しています。事業拡大、新市場開拓、IT化、事業承継といった課題に応じた支援を上手に活用することで、企業成長を大きく後押しできるでしょう。

補助金を確実に活用するには、制度の詳細を早めに把握し、事業計画の策定や必要書類の準備を進めることが重要です。公募スケジュールに注意し、専門家の支援も受けながら、計画的な申請を心がけましょう。