奈良市シェアオフィス設置支援!最大1,000万円補助とPR活動サポート

奈良市が実施するシェアオフィス設置・運営支援事業について、概要と詳細な要件をまとめました。シェアオフィスの新設に対し最大1,000万円の補助金が支給されるほか、入居企業獲得を支援するプロモーション活動も実施されます。対象は法人で、一定の設備基準や運営体制が求められます。

奈良市シェアオフィス設置運営支援事業とは

奈良市では、シェアオフィスの設置や運営を促進するため、施設整備や初期運営費用に対して補助金を支給する取り組みを行っています。補助率は2/3、上限は1,000万円と高額で、加えて入居企業の誘致を目的とした間接支援も受けられる点が特徴です。

この支援は、都市部から地方へのオフィス分散が進む中、IT・クリエイティブ系企業の誘致を促進し、地域活性化や若者の地元定着を目指すものです。なお、本事業の公募は過去に実施されたもので、応募受付や審査はすでに終了していますが、今後の同様施策の参考になります。

シェアオフィス設置運営にかかる補助対象経費

設備整備や初期費用に関する補助金の活用方法

シェアオフィス改修工事・設計にかかる補助

シェアオフィスの設置に必要な建物改修や基本設計、実施設計、工事監理費が補助対象となります。特に壁や床の改修、トイレや空調設備の更新といった工事費用が対象範囲に含まれます。

什器・オフィス機器の導入支援

机や椅子、キャビネットなどの什器類に加え、パソコンや複合機、プロジェクター、スクリーンなど、オフィス運営に必要な機器類の導入費も補助対象となります。

初期運営費・広告費用への補助

施設開業後すぐの賃料や通信費、機器レンタル料など運営に必要な初期費用のほか、利用者募集にかかる広告宣伝費やWebサイト制作費用も補助対象です。さらに、施設運営マネージャーなどの採用にかかる求人活動費も含まれます。

奈良市による間接支援と入居企業誘致支援

シェアオフィスのPR活動と企業誘致サポート

奈良市はシェアオフィス運営者に対し、施設の広報活動や入居企業へのアプローチ支援を実施しました。

広報支援とリード獲得活動

情報発信を強化するための広告出稿や、ターゲット企業へのアポイントメント獲得、視察ツアーの実施など、実践的なリード獲得施策を提供しています。

入居企業向け進出支援金の提供

シェアオフィスに進出した企業に対し、奈良市から進出支援金が支給され、拠点整備の初期コストを軽減する取り組みも行われました。これにより、入居企業の誘致をスムーズに進めることが可能になります。

応募対象法人と求められる資格条件

応募可能な法人種別と基本要件

この支援事業に応募できたのは、以下の法人格を有する団体です。個人事業主は対象外ですが、共同企業体での応募は可能でした。

  • 株式会社、合同会社などの会社法人
  • 一般社団法人、一般財団法人
  • 公益社団法人、公益財団法人
  • 地方銀行、信用金庫、信用協同組合
  • 特定非営利活動法人(NPO)
  • 大学

加えて、市税(市外事業者は国税)の滞納がないこと、シェアオフィスまたは類似施設の運営実績があること、財務状況が健全であること、個人情報保護規定を整備していることが条件となっていました。

シェアオフィス設置に求められる基準

物件の所在地と改修条件

市街地中心部での設置が必須

対象エリアは主要駅(近鉄奈良駅、JR奈良駅、近鉄新大宮駅、近鉄大和西大寺駅)から徒歩20分以内の市街地エリアに限られ、既存物件の改修を基本としています。賃貸の場合、契約期間は5年以上が必要でした。

シェアオフィスに求められる設備基準

最低限求められるスペース設計

  • 20席以上のオープン席
  • 3人以上利用可能な個室を3区画以上
  • 会議室と共有スペースの確保
  • 男女別トイレの設置

オフィス設備と運営管理体制

情報セキュリティが確保されたインターネット環境、オフィス運営に必要な備品一式、定期換気設備が求められました。また、法人登記可能な運営体制や感染症対策に対応した運営も必須条件でした。

シェアオフィス運営に求められるテーマ設定とKPI

シェアオフィスは単なる賃貸物件ではなく、施設全体にテーマやコンセプトを設定し、利用者にとって独自性のある空間づくりが求められました。

また、令和7年3月末時点での数値目標(KPI)達成を目指すことも条件となっていましたが、未達成であっても補助金返還は原則不要とされていました。

公募スケジュールと現在の状況について

この支援事業の募集はすでに終了しており、以下の日程で実施されました。

  • 参加申込期間:令和3年9月16日~9月30日
  • 応募書類提出期間:令和3年10月1日~10月12日
  • 審査:令和3年10月15日(書類審査・プレゼンテーション)
  • 結果通知:令和3年10月下旬

交付決定後、令和4年3月15日までにシェアオフィスを開設することが求められました。現在、この公募自体は終了していますが、今後も同様の施策が実施される可能性があり、注目しておく価値があります。

まとめ

奈良市のシェアオフィス設置運営支援事業は、補助金による資金面の支援だけでなく、施設の認知拡大や入居企業誘致までを一貫してサポートする意欲的な取り組みでした。

短期間での設置・運営を目指す法人にとっては、初期投資を抑えながら事業拠点を立ち上げる大きなチャンスとなりました。

都市部企業の地方進出ニーズが高まる中、今後もこうした支援事業を活用し、新しい働き方と地域活性化を実現する拠点づくりに挑戦する流れが続くことが期待されます。