事業再構築補助金は、採択された後でも最終的な交付額が減額されるケースがあります。減額の背景には、書類の不備や誤った経費計上など、さまざまな要因が関係しています。
本記事では、補助金の減額理由とその対策を解説し、申請時に注意すべきポイントを明らかにします。
事業再構築補助金の交付金が減額される理由
事業再構築補助金は、申請した金額すべてが交付されるわけではありません。交付申請や実績報告の審査によって、最終的な補助額が決定されます。
場合によっては、減額されたり全額が不採択となることもあります。こうした事態を防ぐためには、減額の主な原因を正しく理解し、事前に対応することが重要です。
主な減額理由と具体的な注意点
補助対象外の経費を計上している
補助対象でない経費を申請書に含めると、減額や不採択の原因になります。例えば、自動車や駐車場などの構築物、再生可能エネルギー設備、家賃や光熱費などは補助対象外です。経費の計上にあたっては、対象外項目を正確に把握する必要があります。
必要書類の不備や不足
申請時および実績報告時には、多数の書類が求められます。不足や提出漏れがあると減額対象になります。代表的な書類には以下のようなものがあります。
- 見積書・発注書・契約書・納品書・請求書
- 出納帳や通帳のコピー
- 業者選定理由書
- 現場写真や検収書などの証拠資料
これらは経費の妥当性を証明するために必要不可欠な書類です。特に、写真や押印など、形式面でも細かい確認が求められます。
記入ミスや内容の抜け漏れ
書類の提出が完了していても、記載内容に不備があれば減額の対象になります。例えば以下のようなケースが挙げられます。
- 発注先の押印漏れ
- 有効期限切れの見積書
- 積算基礎の記載不足(名称・単価・数量)
- 税抜き価格でない金額記載
- 写真の添付忘れや品目名の不一致
こうした記載ミスは小さな見落としでも大きな影響を及ぼすため、チェックリストの活用などで防止しましょう。
相見積もり書の未提出
特定の経費区分については、相見積もりの提出が求められます。以下の経費は原則として相見積もりが必要です。
- 建物費
- 機械装置・システム構築費
- 広告宣伝費・販売促進費
- 研修費
また、1件あたりの見積額が50万円(税抜き)を超える場合、同一条件での相見積もりが必要です。最も低価格の事業者を選定することが基本ルールとなります。
補助対象外経費の詳細と確認ポイント
事業再構築補助金で補助対象となる経費には、厳密な基準があります。代表的な対象経費は以下の通りです。
- 建物費(必要性が認められる場合)
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 外注費・クラウドサービス費
- 知的財産関連費・広告宣伝費
- 研修費(上限あり)
- 廃業費(特定枠に限る)
一方、以下のような経費は補助対象外とされています。
| 経費項目 | 補助対象外の理由 |
|---|---|
| 車両や船舶、航空機 | 耐用年数に関する法令で対象外 |
| 構築物(駐車場、塀等) | 建築資産として対象外 |
| 家賃や光熱費 | 間接的経費のため対象外 |
| フランチャイズ加盟料 | 事業拡大と直接関係しない |
| ソーラーパネル | 発電事業に該当するため対象外 |
これらを経費として計上すると、補助金全体が見直される可能性があります。
書類提出時に注意すべき実務ポイント
減額を防ぐためには、以下のような実務的対応も必要です。
- 外国語書類の翻訳添付:外国語で記載された書類は、日本語訳も提出
- 中古品購入時の証明:複数業者の見積もりと詳細スペックの一致確認
- 写真の整理:取得財産ごとに写真をまとめ、データとして保存
- 外貨取引の円換算:すべての金額は円表記が原則
- インターネット購入の代替資料提出:注文履歴や購入履歴のスクリーンショットで代用可能
- クレジットカード払いの事前相談:やむを得ない場合は事務局へ連絡
- 立替払い時の注意:個人立替は期間内に清算が必要
- 保険・共済の加入:補助額が一定以上の場合、保険加入が必須
減額を防ぐための実務的アプローチ
補助金の減額が発生する背景には、提出書類の煩雑さと内容の高度な正確性が求められる点が挙げられます。自社のみでこれらの書類を準備するのは容易ではなく、結果として不備が生じやすくなります。
専門家のサポートを活用すれば、こうしたリスクを大幅に軽減できます。確かに自社で完結すれば初期コストは抑えられますが、減額リスクによる損失を考慮すると、トータルでは専門家への依頼が合理的な選択になることも少なくありません。
まとめ:減額回避には事前準備と正確な書類作成がカギ
事業再構築補助金の減額を防ぐには、以下の4点に特に注意が必要です。
- 補助対象外の経費を含めない
- 必要書類を正確かつ完全に提出する
- 記入ミスや記載漏れを防ぐ
- 相見積もりを適切に取得・提出する
補助金申請の成功には、書類の質と正確性が問われます。不明点がある場合は事務局に確認し、申請に不安がある場合は専門家に相談することで、確実に交付を受けられる体制を整えることが重要です。

