最大1400万円の助成が受けられる産業雇用安定助成金の活用方法

事業再構築補助金の交付を受けた企業が、必要な人材を確保する際に活用できるのが「産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)」です。本制度では、再構築に必要な人材を雇用した場合に最大1,400万円の助成を受けることが可能です。申請には複数の条件と手続きが求められますが、上手に活用すれば人件費の一部を大きく補うことができます。

本記事では、制度の概要、助成額、申請要件、手続きの流れについて詳しく解説します。

産業雇用安定助成金とは何かと事業再構築との関係

「産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)」は、事業再構築補助金の交付決定を受けた企業を対象に、必要な人材確保を支援するために創設された制度です。企業が新たな事業や業態への転換を図る際、即戦力となる専門的なスキルを持つ人材を安定的に確保するための財政的支援が行われます。

この助成金は、2023年4月1日に新設され、事業再構築補助金と組み合わせて利用することで、事業再編に必要な人材コストを大きく軽減できるというメリットがあります。ただし、2024年度以降の実施については公表されておらず、今後の継続は未定となっています。

中小企業向けに最大1400万円の助成が可能

助成額は企業規模に応じて変動

助成金の額は、雇用から半年ごとに2回に分けて支給されます。最大で5人の雇用まで助成され、企業の規模により支給額が異なります。

  • 中小企業の場合
     1人あたり280万円(140万円 × 2期)
     → 最大5人で1,400万円まで
  • 中小企業以外の場合
     1人あたり200万円(100万円 × 2期)
     → 最大5人で1,000万円まで

この助成金は、人材確保に必要な費用の一部を公的に補填する仕組みとして、再構築を進める企業にとって大きな支援となります。

助成対象となる企業に求められる条件

助成金を受けるために必要な事業主の要件

助成を受けるためには、以下のような条件を全て満たす必要があります。

  • 事業再構築補助金の交付決定を令和5年4月1日以降に受けている
  • 対象労働者を雇用保険に加入させ、無期雇用で雇い入れている
  • 補助事業実施期間内に対象労働者を雇用している
  • 対象労働者に年収350万円以上を支払っている
  • 過去6か月以内に解雇などの人員整理を行っていない
  • 特定の条件に該当する離職者の割合が全体の6%未満である
  • 書類の整備と労働局による実地調査に対応できること

対象とならないケースには注意が必要

助成金の不支給要件も確認を

どれだけ条件を満たしているように見えても、以下に該当すると助成金は受け取れません。

  • 過去に雇用関係があった労働者を再雇用する
  • 経営者の親族を雇用する
  • 賃金の未払いがある
  • 不正受給歴がある、または関係者にその経歴がある
  • 労働法違反により送検されたことがある
  • 暴力団関係者との関係がある
  • 申請書類に虚偽記載がある

これらの要件に該当しないよう、社内の雇用管理や経理処理を徹底しておく必要があります。

助成対象となる労働者の具体的な条件

専門的知識または管理的立場の人材が対象

対象となる労働者は、以下の要件を満たしていることが必要です。

  • 企画立案や専門知識を要する業務に従事している
  • 部下を指導・管理する立場にあり、1階層以上の部下を持っている
  • 年間の賃金支給額が350万円以上である

専門性や管理能力が求められるため、単なる一般職の雇用では助成対象とならない点に注意が必要です。

助成金を受け取るための具体的な手続きの流れ

支給までの基本ステップを押さえる

申請から支給までの流れは次の通りです。

  1. 事業再構築補助金への応募
  2. 採択・交付決定
  3. 対象労働者の雇用(補助事業実施期間内)
  4. 第1期助成金の申請(雇用後6か月経過時)
  5. 第2期助成金の申請(その後6か月経過時)
  6. 合計2回の助成金支給

支給申請は各支給対象期が終了した翌日から2か月以内に行う必要があります。

申請に必要な書類と提出先について

必要書類は期ごとに異なる点に注意

以下の書類が必要になります。一部は第1期、第2期の申請時のみ提出が求められます。

  • 支給申請書
  • 雇用状況等申立書
  • 事業再構築実施結果報告書(第2期のみ)
  • 雇用契約書や雇入れ通知書
  • 報酬支払簿・出勤簿
  • 組織図や業務内容を示す資料
  • 助成金交付決定通知の写し
  • 支給要件確認申立書
  • 支払方法・受取人住所届

書類は労働局やハローワークへ提出することになります。期限を過ぎると受付されないため、計画的な準備が必要です。

実施期間や対象枠に関する注意点

制度の対象となる事業再構築補助金の枠を確認

助成対象となるのは、「物価高騰対策・回復再生応援枠」や「最低賃金枠」に採択された事業主です。また、事業計画に人材確保に関する記載が必要とされています。

2023年度の制度であるため、令和5年4月1日より前に交付決定を受けた場合は対象外です。過去の交付では対象とならない点にも留意してください。

まとめ

事業再構築補助金によって新たな分野や業態への転換を目指す企業にとって、優秀な人材の確保は重要な課題です。「産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)」は、その人材確保にかかるコストを大幅に軽減できる有効な支援策です。

制度の要件を正しく理解し、適切に申請することで、成長戦略の実現を後押しする助成金として活用することができます。助成金活用を検討している事業者は、今後の制度動向にも注目しながら、準備を進めておくとよいでしょう。

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