事業再構築補助金第11回公募の詳細と申請の進め方

事業再構築補助金第11回公募の概要と申請手続き、計画書作成のポイントについて詳しく解説します。本補助金は、中小企業の事業再構築を支援する目的で実施されており、さまざまな類型に応じた支援内容や補助率が設定されています。申請にはGビズIDの取得が必要であり、事業計画書の質が採択のカギとなります。

本記事では各類型の要件や補助対象経費、申請方法の流れ、計画書作成の注意点までを体系的に紹介しています。

事業再構築補助金の目的と基本的な仕組み

経済構造の転換に挑む企業への支援策として、事業再構築補助金は2021年からスタートしました。ポストコロナ時代を見据えた新分野展開や業態転換、事業再編などの取り組みに対して、国が補助金を交付する制度です。主に業績の回復が遅れている中小企業や中堅企業が対象で、構造的課題に直面する産業の再構築を後押ししています。

補助金の申請には、認定支援機関または金融機関による事業計画の確認が必須であり、その後の実施計画に基づいて補助金が交付されます。

第11回公募での変更点と公募枠の整理

第11回の公募では、「サプライチェーン強靭化枠」が廃止され、全体で7つの枠での募集となりました。申請受付は2023年9月13日から開始され、同年10月6日に締切を迎えています。すでに公募は終了しているものの、次回以降の参考として制度内容を把握しておくことが重要です。

7つの公募枠とそれぞれの特徴

各枠の支援内容は異なり、事業規模や業種、経営課題に応じて最適な枠を選ぶ必要があります。

成長枠

将来的に高い成長が見込まれる分野への参入や拡大を目指す企業に対して、積極的な設備投資や人材確保などを支援。

グリーン成長枠

環境分野の課題に取り組む事業を対象に、研究開発や脱炭素に向けた事業再構築を支援。14の重点分野が指定されており、国のグリーン成長戦略との整合性が重視されます。

卒業促進枠

中小企業から中堅企業への成長を目指す企業を支援。成長枠やグリーン成長枠と組み合わせることで、補助額の上限が引き上げられるのが特徴です。

大規模賃金引上促進枠

一定以上の賃上げを実施する企業に対して、上乗せ支援を提供。賃上げが社会的に求められる中で、企業の給与水準の引き上げを後押しします。

産業構造転換枠

国内市場の縮小や構造的課題に直面している業種・業態に対し、新たな収益源の確保を目的とした再構築を支援。

最低賃金枠

最低賃金の引き上げによって経営が厳しくなった企業に対し、負担軽減と業態変革を目的とした支援を実施。

物価高騰対策・回復再生応援枠

原材料やエネルギー価格の上昇に直面する企業、もしくは業績回復が遅れている企業に向けた支援。経済環境の急激な変化に柔軟に対応するための支援枠です。

補助対象事業と申請者の要件

補助の対象となるのは、日本国内に本社を置く中小企業および中堅企業です。経済産業省や中小企業庁から補助金停止措置を受けている事業者は対象外です。

また、以下のような基本要件を満たすことが必要です。

  • 認定支援機関または金融機関の確認を受けた事業計画であること
  • 事業終了後3〜5年で、付加価値額の年平均3〜5%以上の増加を見込んでいること

補助対象となる経費の具体例と注意点

事業再構築補助金では、実施に必要な多様な経費が対象となります。実際に認められている経費には、次のようなものがあります。

設備・インフラ関連費用

  • 建物の建設や改修、原状回復費用
  • 機械装置、システム、ソフトウェアの導入・構築費用

人的資源・知的資産にかかる費用

  • 専門家のコンサルティング費用(上限あり)
  • 研修や人材育成の費用(総額の1/3まで)
  • 特許取得や翻訳、弁理士への依頼費用など

その他の実施費用

  • 広告宣伝や販売促進のためのパンフレット・動画作成
  • 展示会出展やクラウドサービスの利用料
  • 運搬費、外注費、廃業費(産業構造転換枠のみ)

対象外となる費用(例:登記手数料、印鑑証明取得費など)もあるため、公募要領を事前に確認することが重要です。

補助金額と補助率の詳細

企業規模や申請枠によって、補助金額や補助率は大きく異なります。

  • 中小企業:最大2,000万円〜1億円以上(枠により異なる)
  • 補助率:1/2〜3/4(賃上げ実施時には優遇あり)
  • 中堅企業:補助率は1/3が基本だが、一部枠で1/2に上昇

特に、グリーン成長枠(スタンダード)や産業構造転換枠では、高額な支援が可能となっており、革新的な取り組みに対する後押しが強化されています。

申請方法とスケジュールの流れ

申請はGビズIDプライムアカウントを使用した電子申請でのみ受け付けられます。紙での提出は不可となっており、事前準備が必要です。

申請に必要な主な書類

  • 事業計画書
  • 認定支援機関または金融機関の確認書
  • 財務諸表や従業員数を証明する書類
  • 確定申告書類(法人・個人により異なる)

設備の早期購入を希望する場合は、交付決定前に「事前着手届」を提出することで、対象経費として認められるケースがあります。

採択されるための事業計画書の書き方

事業再構築補助金の採択には、実現性の高い事業計画書が不可欠です。中小企業庁が公表している「虎の巻」では、以下の3つの観点が重要とされています。

なぜ再構築が必要かを明確にする

市場の変化や自社の課題を踏まえた上で、「再構築の必要性」を具体的に示すことが評価のポイントになります。

自社にとって有望な事業テーマを選ぶ

社会的なトレンドではなく、自社の強みや経営資源に合ったテーマを設定することが重要です。ありたい姿と一致した方向性で計画を立てましょう。

実行可能な計画に落とし込む

  • 実現する製品・サービスの定義
  • 数値目標と投資対効果の裏付け
  • 実行スケジュールと体制の整備

このように、計画全体に説得力を持たせることが、審査通過への近道です。

申請時によくある実務的な疑問点と対応策

実際の申請にあたり、多くの企業が悩むポイントがあります。以下に、代表的なものとその対応について整理します。

売上比較の基準年度の選択

「コロナ以前」の売上比較として、2019年または2020年1〜3月のいずれかを基準として選択可能です。任意の3か月間での比較が認められており、連続していない月の組み合わせでも問題ありません。

要件を満たせなかった場合の対応

付加価値額の目標など、必達とされる要件に届かなかった場合でも、基本的には補助金の返還義務は生じません。ただし、「卒業促進枠」「大規模賃金引上促進枠」など、達成を条件とする枠では補助金が支給されない場合があります。

複数の枠にまたがる場合の申請方法

事業が複数の類型に該当する場合でも、申請時には主たる枠を1つに絞る必要があります。計画全体の整合性を意識して、最も適した枠を選択しましょう。

補助金の支払いタイミング

補助金は原則として精算払いとなっており、事業実績報告後に支払われます。ただし、条件を満たせば概算払いも可能です。

サブスクリプション型の広告費

補助対象期間中に使用される広告であれば、サブスク型広告費用も補助対象となります。契約期間や使用時期の確認が必要です。

今後に向けた準備と注意点

第11回の公募はすでに終了していますが、今後も同様の制度が継続される可能性があります。制度変更に備えて、GビズIDの取得や、事業計画書の土台作りを今から進めておくと、次回の募集時にスムーズな対応が可能になります。

特に、計画書の構想段階で支援機関と連携しながら準備を進めることが、採択の可能性を高めるポイントです。補助制度の活用によって、事業の再構築と中長期的な成長につなげていきましょう。

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