中小企業は、コロナ禍や物価高騰といった経済変動により厳しい経営環境に直面しています。そうした中、事業転換や新分野への挑戦を支援するために設けられたのが「事業再構築チャレンジ補助金」です。
この補助金は、事業の再構築に必要な投資に対して最大1,000万円までの支援が受けられる制度で、対象となるのは設備投資を含む再構築計画を有する中小企業や中堅企業です。
本記事では、補助対象者の要件や対象経費、申請方法など、補助金活用のために知っておくべきポイントを詳しく解説します。
中小企業を取り巻く経済環境の変化
コロナや物価高騰による影響
中小企業は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、売上減少や事業継続の困難に直面しています。加えて、原油や原材料の価格高騰も経営に重くのしかかり、多くの企業が対応を迫られています。中小企業の7割以上が今なおコロナの影響を受けているという調査結果もあり、企業の再構築が求められる時代に突入しています。
技術革新と人口減少への対応
中小企業が持続的に成長するためには、IoTやAI、ロボットといった先端技術への対応や、縮小する国内市場に代わる海外展開の可能性など、多様な変化への対応力が不可欠です。こうした変化に柔軟に適応し、新しいビジネスモデルに挑戦する企業への支援策が必要とされています。
事業再構築チャレンジ補助金の概要
制度の目的
本補助金は、社会・経済環境の変化に対応し、事業の再構築を図る企業を支援することを目的としています。新分野展開、事業・業種・業態転換、事業再編などを通じて、新たな収益源の確保や成長分野への進出を促します。
補助対象となる企業の条件
対象者の範囲
- 補助事業を実施する拠点がある中小企業者または中堅企業
- 本社所在地が対象地域にある中小企業者または中堅企業
- 「みなし大企業」は対象外
補助対象となる事業再構築の類型
1. 新分野展開
主たる業種を変えず、新製品や新サービスの提供により新市場へ進出。
2. 事業転換
主たる業種を維持したまま、主な事業内容を変更。
3. 業種転換
主たる業種自体を変更。
4. 業態転換
提供方法や製造方法を大きく変更。
5. 事業再編
合併や会社分割等の組織再編を行い、新たな事業形態に転換。
事業計画書の作成要件
補助対象となるには、上記いずれかの類型に該当する3〜5年の事業計画書を策定し、補助金の申請に添付する必要があります。
補助対象となる経費
主な対象経費の項目
- 建物費:新築・改修・撤去など(必要性の説明が必須)
- 機械装置・システム構築費:設備購入やソフトウェア開発
- 技術導入費:知的財産の導入費用など
- 専門家経費:外部専門家のアドバイザリー費用
- 運搬費:必要設備の配送費用など
- クラウドサービス利用費:業務システムなどの利用料
- 外注費:加工や設計業務などの外注費
- 広告宣伝・販売促進費:販路拡大のための広告や展示会出展費用
- 研修費:社内教育に関する費用(上限あり)
補助対象外となる経費
補助金で支援されない経費には以下が含まれます。
- 市場価格より著しく高額なもの
- 補助事業前に契約された支出
- 家賃、光熱費などのランニングコスト
- 汎用品(パソコン、スマホなど)
- 不動産や株式、自動車の購入費
- 自社従業員の人件費、旅費
- ソーラーパネルなど再エネ設備
補助率と補助金額
- 中小企業者:補助対象経費の2/3以内
- 中堅企業等:補助対象経費の1/2以内
- 補助金額:100万円〜1,000万円(1,000円未満切り捨て)
申請から交付までの流れ
申請書類の準備
以下のような書類が必要です。
- 補助金交付申請書
- 事業計画書、収支計画書、経費予算書
- 経費の見積書や通帳コピー
- 法人や個人事業主を証明する各種書類
申請方法
原則はWEB申請(専用ポータルサイト)。ただし、難しい場合は郵送申請も可能です。
補助金の活用例
事業の種類に応じて、以下のような使い方が可能です。
- 新分野展開:新たな市場に向けた製品製造の開始
- 事業転換:需要のある新たな顧客層に向けたサービスの提供
- 業種転換:従来の業種から異業種への進出
- 業態転換:対面から非対面型への業務転換など
補助金制度の活用によるメリット
この補助金を活用することで、企業は経済的支援を得ながら新たな分野への挑戦が可能となります。人材確保や事業の多角化、地域経済の活性化にもつながるため、中小企業にとって大きなチャンスとなります。
まとめ
事業再構築チャレンジ補助金は、厳しい経済環境の中で変革を志す中小企業を強力に後押しする制度です。対象となる事業や経費を明確に把握し、適切な事業計画を立てることで、補助金の活用は企業の持続的成長に直結します。
事業の再構築を検討している場合は、早めの準備と申請が成功への鍵となるでしょう。

